Cinema Jackはミニシアター系を中心とした映画レビューサイトです。

アドリブ・ナイト

アドリブ・ナイト [DVD] これは、ウソから生まれた優しさの物語

客観的視点から描かれる、日常の中の非日常。映像の端々に見られる繊細かつ丁寧な描写と、主人公を演じるハン・ヒョジュの持つ澄んだ空気感が気持ち良い。家の二階で一人、ゆっくりと靴下を履き替える描写、亡くなった”父親”の手に触れ、耳元で小さくつぶやく描写、多くを語らずに主人公の複雑な心境が表現される終盤、それらの描写自体から寂しさ・優しさなどの繊細な感情が感じ取れる。本作を監督したイ・ユンギは「第二のキム・ギドク」と呼ばれているらしく、今後も大いに期待。

14歳

14歳 [DVD]窒息しそうな毎日を変える方法がある。

思春期を向かえもう大人だと思っている14歳と、自身も通ってきた14歳のことなど当然理解していると思っている大人。この2つの思い違いから起こる怒り、葛藤、苦しみ。本作はそのような暗い感情を過度に脚色すること無く、押し付けることもなく、ただただ提示することに徹底している。シャツにこびりついた血の汚れを消すのが難しいことと同様、過去の辛い記憶を消すのは困難なのだ。

お姉チャンバラ THE MOVIE

お姉チャンバラ THE MOVIE デラックス版 [DVD]セクシー&スタイリッシュ&スプラット剣劇アクションムービー!!

例えストーリーがあまりに拙いものだったとしても、造形の作り込みがあまりに甘かったとしても、タトゥーがあからさまにシールだったとしても、この映画に関しては全く問題ない。なぜなら、”お姉チャンバラ”の魅力は水着での激しいアクションシーンなのだから。・・・それなのに本作、マント着用とCGの多用により、その唯一の魅力さえまともに描ききれていないのだ。ゲームの方がよほどマシである。

ルーツ・タイム

ルーツ・タイム [DVD]移動式レコードショップでジャマイカ横断
ラスタファリアン・ロード・ムービー!

二人のラスタマンによるどこか噛み合ない会話や、旅の途中でおこる出来事にニヤリとさせられはするものの、基本的に本作はコメディ映画ではなく宗教・音楽映画。ラスタファリアン・カルチャーをテーマにした作品のため、ジャマイカの宗教観やレゲェに疎い人にはなかなか楽しみどころが難しい映画かもしれない。僕も然り。

明日、君がいない

明日、君がいない2時37分ーそのとき孤独が世界を満たす

本作から感じられる、「エレファント」へのオマージュと、「エレファント」を超える現実性。自身、友人の自殺を経験したムラ—リ・K・タルリにしか撮れない作品である。登場人物一人一人にフォーカスする長回しと丁寧かつ繊細な描写の後に訪れる最期は、痛いほどに胸に突き刺さる。その人の心にある悩みや辛さはその当人にしか感じることが出来ないのだ。

選挙

選挙電柱にもおじぎせよ!3秒に1回名前を連呼せよ!

もはや選挙には本来あるべき清く正しい理念など存在せず、利権のある人間のための私欲のみが存在している。ただ名前を叫び、頭を下げ、顔を覚えてもらうだけの選挙に何の意味があるのだろうか。そこに巻き込まれてしまった主人公はまさに悲劇としか言いようが無い。

オフサイド・ガールズ

オフサイド・ガールズ女の子だって、スタジアム観戦したい!

「なぜ女性がスタジアムで試合を観戦してはいけないのか?」彼女達の質問に対する兵士の答えは曖昧であり、また、兵士自身もなぜいけないのか疑問に思っている。もはやそこにはルールのみが存在し、理由は後付けなのである。世の中のいたるところに存在するであろう、そうした不可解な大人のルールをシンプルでライトなドラマに落とし込むパナヒ監督の手腕は見事。試合中のスタジアムでのロケ、出演者はオールアマというあたりも監督のこだわりが感じられる。

虹の女神 Rainbow Song

虹の女神 Rainbow Song いつかふたりで見た虹をおぼえていますか?

岩井俊二×熊澤尚人。綺麗という言葉だけでは表せない繊細さと透明感。変に煽らない分、透明感が際立つところ、今回監督をしていないにしてもさすがの岩井イズム。作中にでてくる、主人公あおいの作品「THE END OF THE WORLD」が印象的。上手い作品ではないが、その裏に込められたあおいの思いに胸が締め付けられた。映画とはこういうものであって欲しい。

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)目醒めたら、「そこ」にいた。

誰もが目を背けたいと思う真実を、暖かい笑いで包み込んだ良作。正常だと思っていた人物が実は正常ではなく、イカれていると思っていた人物が実はそれほどイカれていないと気づかされていく展開にはドキリとさせられた。病院の中もしかり、娑婆もしかり。出演女優の方々の演技という枠を超えた力強さにも圧倒された。

頑張れ!グムスン

頑張れ!グムスン

元バレーボール選手のグムスンは、愛する夫ジュンテ、生後6ヶ月になる愛娘ソンイとともに暮らしている。ジュンテの初出勤の日。帰りの遅いジュンテを心配するグムスンのもとに1本の電話がかかってきた。それは、ジュンテを帰してほしければ飲み代の170万ウォンを今すぐ払いに来いという、ぼったくりバーからの脅迫電話だった!グムスンはソンイをおぶり家を飛び出すのだが、ひょんなことからヤクザからも追われることになり…。

続きを読む