リュシアンは、普段は真面目な教師である父が、毎週日曜になるとピエロに扮しておどけるのが我慢できなかった。父が町のみんなに笑われているのを見るのが嫌だったのだ。そんなある日、父の友人から、父がピエロに扮するようになった理由を聞かされる。それは思ってもみない、美しく、悲しい話だった…。
映画の舞台となるのは、ドイツ占領下のフランス。(正確にいうと、映画の中の「今」の設定は1960年代だけど、ほとんどが戦時中の回想シーンなので。)
父親(ジャック)がピエロに扮しておどけるのが、ものすごく嫌いな息子のリュシアン。父親の舞台の最中に客席の後ろの方ですねていると、ジャックの古くからの友人、アンドレが声をかける。そこでリュシアンは、父がピエロに扮するようになった悲しい真実を知ることになる…、という話なんですけど、ヨーロッパ映画らしい、なかなかの良作に仕上がっています。
俳優陣の演技も素晴らしく、ストーリーも笑いあり涙ありの高い完成度。軽いシーンと重いシーンの切り替えもなかなか上手くいっていたと思います。すんなり入り込めるというか。
この映画を見て特に思ったことは、「人間」がとても良く描かれているということ。父と息子、友達、ドイツ人ピエロの”ゾゾ”、そしてジャックが誤って死に追いやってしまった鉄道職員の妻。演技が素晴らしいっていうのもあるだろうけど、とにかく、人間味があふれていてとても良かったです。ずっと強がっていた若いレジスタンスのエミールが、「死にたくない…」と涙を流すシーンとかものすごく良かったですね。少し細かいですけど)あと、おばあさんの家に謝りに行って会話をするシーンとか。
個人的にはものすごい秀作でしたけど、まぁ、もう少し欲を言うなら、それぞれのシーンをもうちょっと長く撮って欲しかった、、かな。映画自体も95分と比較的短いし、もう少しそれぞれのシーンを長く撮っても良かったんじゃないかなぁ。もっと長い時間見ていたかったっていうか。
あと、少し小ネタになるんですが、スピルバーグ監督がこの映画のリメイク権を獲得したみたいです。スピルバーグ君、またリメイクかよ、って感じがしますが。良い映画だけに、ハリウッド風に作り直されてしまうっていうのがなんかイヤ。頼むから荒らさないでください。