ブリッジ

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ブリッジ

美しく荘厳なフォルムで見るものを魅了するサンフランシスコの巨大吊り橋“ゴールデンゲートブリッジ”。アメリカを代表する観光名所として知られるこの橋は、自殺の名所という暗いもう一つの顔を持っていた。本作は1年間に渡って橋の両岸にカメラを据え、自殺を図る人々の姿を捉えるとともに、かつてそこで自殺した人の遺族や友人へのインタビューを通して命を巡る様々な問題を問いかける衝撃の社会派ドキュメンタリー。

37年の建設以来、約1,300人が自殺したといわれるアメリカの橋、ゴールデンブリッジ。そこに4台のカメラを設置し1年間撮影を続けた作品が本作「ブリッジ」。観終わっての感想はかなり後味の悪いものでした。

映画は7人の人物が橋から飛び降りる映像と、その家族のインタビューで構成されています。ドキュメンタリーなので、もちろんスクリーンに映る自殺の光景はフィクションではありません。もちろんそのような”タブー”を真実の映像として目の当たりにさせられるということ自体が気持ちの良いものではありませんが、私が後味の悪さを感じたのはその部分ではありません。家族へのインタビュー、また、それを中心とした映画の構成に、です。

ハッキリと何故かと言葉にするのは難しいのですが、自殺者の家族がカメラに語る言葉にある種の軽薄さを覚えるというか。アメリカでは自殺自体を恥じる傾向にあるということで、もちろん日本とは考え方に違いがあるとは思いますが、自殺者の尊厳というものを蔑ろにしているような、そんな感じを受けるのです。「あいつは病気だったから仕方なかったんだよ。」ということを間接的に表現しているような。

しかし、この軽薄さは、自殺者の家族から、というより映画の製作側にあるように思えます。わざとそのように思わせる構成・編集を行っているような、そんな印象。「私が観たものをそのまま伝えたかった。」「この作品はみなさんへの問いかけです。決して答えを押し付けるものではありません」本作の監督エリク・スティール監督の言葉からからは自殺についてもっと真剣に考えるべきだ、という真摯な姿勢が感じられますし、もちろんそれが本音だとは思いますが、うーん…。やはり”死”を直接的に撮影してそれを公開するという姿勢は手放しに賛同できないし。後味が悪いだけで終わってしまいました。

製作
2006年
アメリカ
監督
エリック・スティール

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