ベクシル 2077 日本鎖国

  1. Home
  2. レビュー
  3. ベクシル 2077 日本鎖国

ベクシル コンプリート・ガイド

21世紀初頭、バイオ技術とロボット産業が急速な発展を遂げ、その両方で世界を大きくリードする日本は市場を独占してしまう。そんな中、国際連合は安全性や倫理的な問題を理由に厳格な国際協定を設けて規制を強化する。日本はこれに反発して国際連合を脱退、ハイテク技術を駆使した完全なる鎖国を開始する。それから10年、一切の闇に覆われた日本の実態を把握するため、米国特殊部隊“SWORD”は潜入作戦を決行、隊長レオンの身を挺した行動と謎の日本人マリアの助けにより、女性兵士ベクシルが潜入に成功する。

世界75カ国での上映が決定しているという日本製”フル3Dライブアニメ”、「ベクシル 2077 日本鎖国」。2077年、ハイテク鎖国により徹底した情報規制を行っている日本が舞台の作品です。

「ベクシル 2077 日本鎖国」の魅力は”ハイテク鎖国”に表される近未来SFな世界観と”フル3Dライブアニメ”による新感覚映像の2つに集約されると思うのですが、正直そのどちらも中途半端で物足りない。

まず世界観を冒頭から文章でズラズラ説明してしまうという映画として、いや、SFとしてどうなんだろうという手法にイヤな予感。案の定、その後のストーリーも探せば探すほど穴が見えてしまうようなもの。1つ1つの細かな描写についても、良く考えれば実際に考えれば不自然な点が多い。SF的にというよりは脚本的に問題があるように思えるし、所詮アニメと言ってしまえばそれまでですが、ツメの甘さが気になります。

”フル3Dライブアニメ”にしても、その筋の方から言わせればスゴイものかもしれませんが、私からしてみればTVゲームのそれとさほど変わりません。確かに戦闘シーンや、映画の肝となる”一大作戦”のシーンではそれなりに迫力のある映像がみられるものの、動きの少ないシーンではリアルさは欠片も無く、ただのCGでしかありません。

「ベクシル 2077 日本鎖国」のテーマは”人間とアンドロイドの違い”ですが、上記で書いたように、キャラクターの造詣が血の気の感じられないそれであるため、人間との対比で描かれるアンドロイド化された人間への恐怖感や悲哀が薄っぺらいものとなってしまっています。人間らしさを描くために挿入されたと思われる”人間”同士のキスシーンも不自然極まりないですし、もう少し「描きたいもの」「描けるもの」の精査をキッチリ行った方が良かったのでは。実写では描ききれないものを描く力が、アニメにはあるのですから。

作品情報

製作
2007年
日本
監督
曽利文彦
出演
黒木メイサ
谷原章介
松雪泰子
朴路美
大塚明夫
櫻井孝宏
森川智之
柿原徹也

コメント(0)

コメントフォーム

トラックバック(0)

この記事のトラックバックURL
http://cinema.2inc.org/review/13.html/trackback

PageTop