8歳のダミアンは信心深い男の子。現実主義者の10歳の兄アンソニーとの2人兄弟だ。母を亡くした彼らは、父と共に新しい街に引っ越すことに。引っ越しで使った段ボールで線路近くに秘密基地を作ったダミアン。その中にいると突然大きなスポーツバッグが降ってきた!中には大量のお札が!しかしイギリスの紙幣はユーロに変わる目前。ポンド札は、数日後には紙くず同然。ダミアンはアンソニーに相談するが…。
「トレインスポッティング」「28日後」などで知られるダニー・ボイル監督作品。監督曰く、「自分の子供に堂々と見せられるものを」というコンセプトで作ったらしいです。
ダニー・ボイル監督は、本作のような子供向けの映画を撮るのは向いていないように感じました。彼は現実・人間を鋭く捕らえたシュールさや、ブラック・ユーモアが持ち味だと思うのですが、本作を撮る上ではそれが弊害になっているように感じました。
「ミリオンズ」をこれまでのダニー・ボイル作品と同じように観た場合、シュールさや、ある種の恐怖感というものはそれほど強くないし、映像もらしくないファンタジーなものが多く、ストーリーも教育的であまりおもしろみはありません。
子供向け映画として観た場合、ストーリーは教育上正しいものになっていると思うし、映像的にも子供が喜びそうな工夫がされているように思います。しかし、”ダニー・ボイルらしさ”も完全に失われているわけではないので、そういう部分が浮いてしまい、どっちつかずのような印象を受けました。
結局のところ、教育映画にしたいのか、いつもの大人映画にしたいのか、それともファンタジーにしたかったのか、どれもが互いに邪魔をし合って、上手く融合されていないところで、ストレスを感じてしまいました。いっその事、ストーリーをもっと簡素化して、これまでの映像表現、これまでのダニー・ボイルらしさで撮ったほうが、映画的にはより良いものになったと思うのですが。。
子供にお金について考えさせるために、家族で一緒に観るというのは、充分アリだと思います。