「風希、お誕生日おめでとう…」涙を必死にこらえながら竹富島の船着場で母、昌美を見送った6歳からずっと、風希と母をつなぐものは、毎年誕生日に送られてくる手紙だけだった。竹富島で祖父とふたりで暮らす風希。やがて、父の遺品のカメラで写真を撮り始めた彼女は、カメラマンになることを夢見ながら、母のいる東京への思いを募らせていく。そんな中、風希は19歳の誕生日を迎える。忙しさから自分の誕生日さえ忘れていた風希の元に、今年も母、昌美からの手紙が届く。そして、1年後…。
沖縄、竹富島を舞台とした感動作。
ストーリーは一見するとよくありがちなもの。しかし、「ニライカナイからの手紙」は、竹富島、そして島民を魅力的に描くことで、素直に感動できる映画に仕上がっていました。風景はとても綺麗だし、登場する人物は本物の地元の方々(多分;)。とてもゆっくりした空気が漂っていて、なんかもうそれだけで感動しそうです。島民の方々の会話シーンとか良いし、東京から帰ってきた主人公の風希に対するみんなの”うつぐみ”なんて泣きそうになりました。
オジイの存在も良い。頑固というか口ベタというか、あまり気持ちを出さないんだけど、実はものすごい愛情を持っていて…。仕草も表情もとても味があって深くて、素晴らしいです。顔を見ているだけで泣きそうになってしまう場面も多々あります。これはオジイを演じた平良進の演技力による部分もかなり大きいでしょうね。それとあとオバア。彼女は多分島の方が演じていると思いますが、最高。言葉は棒読みな感じがしないでもないですが、そんなんどうでも良いのです。年季が違います。
また、主人公、風希を演じる蒼井優の存在も忘れてはいけません。蒼井優は以前から好きな女優だったのですが、本作でもその魅力を充分に発揮しています。舞台が沖縄ということで、台詞は沖縄なまり。この辺は沖縄の人が聞くとどうだろうなぁーという感じでしたが、ほとんど気にならない程度。まぁ、彼女の演技がとても自然なので、気にならなかったのかも知れません。
少し気になったのは、全てが明らかになった後の展開です。結構、感動させようと畳掛けて来るような感じだったので、泣ける人には抜群だと思いますが、僕は不要だったかなと思います。長いし、手紙を読む声は無いほうが良いです。説明くさく感じるし、詳しい内容は観客に委ねる形をとったほうがスッキリしたと思うのだけれど。
前述したとおり、少し気になった部分もありましたが、ホントに感動できます。普段映画で泣くことがない私の涙腺を緩ませたのだからこれはホンモノです。素直な感動作を見たい方、オススメです。