ニューヨーク。“ブレスト”の愛称で知られる19歳のアンソニー・カンポーは、地元のシーンで最も注目を浴びているグラフィティ・ライター。彼は今夜もクルーと共に、盗んだペンキを使って、ストリートの壁という壁に、自分のアートを表現しつづける。ニューヨーク市警察の“ヴァンダル・スクワッド”(落書き取り締まり班)ボビー・コックスは、日々グラフィティ・ライターを捕まえようと目を光らせていた。そんなある日、アンソニーの仲間のルーンがコックスに逮捕されてしまう。それをきっかけに、ブレストの周りの状況は、徐々に悪い方向へと進んでいく…。
「グラフィティ」とは、街中にスプレーで思い思いのデザインや主張をペインティングすること。そして、グラフィティすることを「ボムる」というらしいです。
本作で注目すべきは、なんと言っても、あのスタイリッシュな映像表現でしょう。グラフィティをテーマにしているだけに、全編を通し、アートな雰囲気が漂っています。映像自体、フィルタがかかったような感じがして、とても雰囲気が出ています。そして、様々な映像技法がふんだんに使われていて、かなりクールです。ストーリーはよくわからないところも結構ありましたが、そんなのは全然問題ではありません。本作はあくまでグラフィティという「アート」な部分がテーマです。なので、いかにアートを表現するかが大事になってくるので、メインは”映像”ということになるでしょう。ストーリーはそのアートな部分を崩さない、そして引き立てるものであれば良いと思います。その点で、「ボム・ザ・システム」は非常に良かったと思います。
しかし、少し気になった点もありました。グラフィティ、そしてグラフィティ・ライターをヒロイックに描きすぎているかなーと。実際、グラフィティは、一般人にとっては落書きです。テレビなどでも多々とりあげられていますが、描かれた側はかなり迷惑なんだそうです。消す費用とかバカにならないらしいです。その辺のマイナスの部分を警官2人だけで表現するというのに少し違和感がありました。しかも、1人は元グラフィティ・ライターで、もう1人はドラッグ・飲酒運転も平気でするイカれ刑事。マイナスの部分なんて無いに等しいですね。
まぁ、前述したとおり、ストーリーはそこまで気にするような映画ではないと思うので、ホント少し気になっただけで、たいした問題ではありません。以前、「トレインスポッティング」という映画が、「ドラッグを綺麗に描きすぎている」と非難されたこともありますが、それに似ているなーと思いましたね。というか、映画自体、トレインスポッティングな雰囲気を感じました。なので、トレインスポッティングが好きな人にはオススメかも。
本作の監督を務めたのは、本作が長編デビューとなるアダム・バラ・ラフ。なんと彼は、撮影当時23歳。僕と3歳しか変わらないじゃあないですか。。なんという才能でしょうか…。ウラヤマシイ。
今後、この監督にはかなり注目です。