カナダ・ケベック州の小さな島、サントマリ・ラモデルヌ島はかつて漁業に栄え、漁師たちの活気に溢れていた。しかし、その繁栄も虚しく、いまやほとんどの島民は、わずかな失業手当に頼る生活を余儀なくされている。そこへある日、大規模なプラスチック工場誘致の話が持ち上がる。しかし、工場建設には1つ重大な条件が。それは島に定住する医師がいること。しかし、サントマリ島には医者がいないのだ。ところが、ひょんなことから医者が1ヶ月間のバカンスにやってくることになった。島民たちは医者が島を好きになるように、そして定住するように、一致団結して大芝居を打つのだが…。
カナダの小さな島を舞台にした、ハートフルドラマ。ほとんど何も知らずに観賞したのですが、とても良い作品でした。
”人をだます”ことがキーワードとなっている映画ですが、全体的にライトなタッチで、自然と笑みがこぼれるような雰囲気です。初めから中盤までは、島にやってきたクリストファー医師に、島を好きになってもらうように、あの手この手と芝居を打ちます。これがすんなり行き過ぎないで、少しドジをしたりするので、島民たちがとても愛らしい。演じる俳優の方たちも味のある方ばかり。そのせいもあってか、より島民たちを応援したくなるし、心温まります。
中盤からは少し話が動き始めます。クリストファー医師が親友と彼女にだまされていた、ということが発覚するのですが、これがとても良いアイデアだと思います(脚本上の意味で。)島民たちが彼をだます、というのとダブる部分があり、少し考えさせられました。島のためとはいえ、彼をだますことが本当に正しいことなのか、彼を定住させるべきなのか…。徐々に気持ちの揺れ動く町長の姿がとても印象的です。
正直、工場の話は無くして、ただ医者に来て欲しい話にしたほうが、スッキリしてもっと良かった感じもしました。ですが、全体的にシンプルでわかりやすいし、ラストも非常に爽やかなので、見終わった後はとても気分が良いです。流すところは流して、それを生かしながら締めるところは締める。という風に、脚本もしっかりしていて、本当にうまいなぁ、と思いました。疲れたときや、リラックスしたいときにベストな映画かと。