狼少女

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狼少女

――「昭和」と呼ばれていた時代。

大田明は不思議なことに興味がいっぱいの小学4年生。興行にやって来た「見せ物小屋」にも興味津々、やっと手にしたチラシに書かれた演し物「狼少女」が見たくてしょうがない。しかし、学校や親からも見せ物小屋に近づく事は禁止されている。そんな頃、明のクラスに都会の香りに満ちた転校生、手塚留美子がやってくる。頭も良くて容姿端麗でオシャレ、あっという間にクラスメイトから一目置かれる存在になるのだが…。

子供達にインチキな「魔法のカード」を売っているオジさんがいたり、まだ「見世物小屋」があったりした時代、昭和を舞台にした作品。 映画祭(函館港イルミナシオン映画祭)でシナリオ大賞を受賞した原案をもとにした映画ということで、非常に良質なストーリーに仕上がっています。

タイトルから察すると「ホラー作品」かと思えたり、パッケージから察すると少し暗めの「ヒューマンドラマ」かと思える「狼少女」ですが、実際に観てみると全くそんなことはなく、子気味良いテンポの”喜劇”です。 演技クサさを感じない子供達の表情や台詞回し、絶妙なタイミングで入る子供らしさ溢れるボケ。間や空気感。 現代とは違う昭和の雰囲気ともマッチしていて、とても良い。

「狼少女」の本当の素晴らしさは、そのような喜劇の中にちょっぴり残酷な”現実”を埋め込んだところにあります。 それはイジメであったり、家庭の問題あったり、誰にも言えない(もしくは言いたくない)秘密であったり。 それぞれは強烈な残酷さを持っているわけではありませんが、喜劇の中で描かれているという部分や、非常に現実味溢れるという部分から、表現されている以上に鋭さが感じられます。 観ていて少し辛くなる部分もありますが、そのような部分を真摯に描いているからこそ自然な感動を誘う良質な作品になったのでしょう。

本当に自然で純粋な作品。 子供達の姿を見ていて、あんな純粋な気持ちは忘れてしまってたなぁと少し反省。 純粋な気持ちと共に、日本映画の良さも改めて感じさせてくれるそんな一作。

製作
2005年
日本
監督
深川栄洋
出演
鈴木達也
大野真緒
増田怜奈
大塚寧々
利重剛
手塚理美
馬渕英里何
なぎら健壱
田口トモロヲ
西岡徳馬

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