一旗あげようとアメリカからパリにやってきたものの、多額の借金を作ってしまったアンドレ。借金取りに「48時間以内に金を返さなければ、命はない」と言い渡された彼は、アレクサンドル三世橋からセーヌ川に身を乗り出す。
その瞬間、隣に現れた長身の美女が「あなたと同じことをする」と告げると、突然川に飛び込んでしまう。死なせたくない。とっさにそう思ったアンドレは、彼女を追って川に飛び込むのだが…。
「ニキータ」「レオン」のリュック・ベッソンが「ジャンヌ・ダルク」以来6年振りに監督した作品。ベッソン作品はモノによって当たり外れが激しいので心配でしたが、ベッソン監督自身、思い入れのある作品だそうで、観賞してみました。
”地上で一番美しい街”とも称されるパリを舞台に、全編モノクロ映像で撮影。残念なことに、あまりパリの街並みが映し出されることは無いものの、映画の雰囲気にマッチしているし、なんといってもリー・ラスムッセン演じるアンジェラが非常に映えています。これはこの映画の超重要項目なので、モノクロ映像という選択はベストだったと思います。
ストーリーは、主人公のダメ男の前に謎の美女が現れ、主人公を更正させていくというもの。特に複雑なこともないし、よくある主人公成長モノですが、”アンジェラ”や”アンジェラの行動”をあやふやでハッキリと見えないものにたところが、個人的には非常に良かったと思います。「一体アンジェラは誰なのか、なぜ俺を助けるのか。どうやって解決しているのか。」主人公の目を通して描かれる曖昧でハッキリとわからない状況。こういうのとても好きです。
ただ残念なのは、このような謎の部分、曖昧な部分の答えを最後のほうでバンバン語ってしまいます。ラストも、どうもシックリきません。合わない。この映画の雰囲気なら、最後まで”語らない美学”を貫き通して欲しかったですね。
とはいうものの、ベッソン作品は好きなので、なかなか良作でした。ストーリーは微妙なところもありましたが、ビジュアルは最高です。噂によれば、リュック・ベッソンはもう監督業をしないとか。ぜひ「レオン」を越える作品をとって欲しかったな…。