THX-1138

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THX-1138 ディレクターズカット 特別版 〈2枚組〉

人類はコンピュータが支配する地下に広がる世界で、精神抑制剤を投与されながら機械的管理の下、登録番号で呼ばれながらさまざまな作業に従事していた。しかしTHX-1138と女性のルーム・メイト、LUH-3417は抑制剤の投与をしない日々を続けてしまい、次第に“人を愛する感情”が目覚め、この世界では禁止されている肉体関係を交わしてしまう。とある出来事からコンピュータに肉体関係を持ったことを知られてしまい、THXは投獄されてしまう。THXはLUHに会うために、脱獄を決意するのだが…。

ジョージ・ルーカスが学生時代に製作した作品「電子的迷宮 THX-1138 4EB」。 この作品に可能性を見出したフランシス・フォード・コッポラが製作総指揮を務め、リメイクした作品がルーカスの長編デビュー作となる「THX-1138」です。

私は結構SF好きだったりするので、「THX-1138」はいつか観たいと思っていました。しかし1971年製作、「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスが監督というのがネックで(私はアンチスターウォーズです、はい)、今一歩観る勇気が持てず、観ない日々が続いていたのですが、やっと今回観賞することに。

見終わった後、私は非常に後悔しました。何故こんな名作をもっと早く観なかったのかと。非常に素晴らしい。 社会背景や人物説明など、一切の物事から”説明”が排除されており、世界観を掴むのに苦労しましたが、そこが何ともSFらしい。

この管理社会に住んでいる人々も、生まれたときからこういう世界で、さらに毎日投薬でコントロールされているので、”何故こういう世界なのか”という疑問を持つことすらないでしょう。 そのため逆に変に説明をされると世界観が崩れてしまうことにもなりかねませんので、このような形をとったことは、SFであるということに加え、映画としても正解だと思います

1971年製作とうことで危惧していた造詣も、とてもスタイリッシュ。 近年のCGだらけの残念なSF映画(個人的にはSF映画とは呼びたくありませんが)よりも遥かに”世界”があります。 まぁ、私が観賞したのはデジタルリマスター版なので、このあたりはその影響も多分にあるとは思います。 しかしそれを差し引いたとしても、「THX-1138」の作りこみの素晴らしさは目を見張るものがあります。

そのようなビジュアル面の素晴らしさと相まって、ストーリーも良い。 管理社会の矛盾・限界を匂わせつつ、どこまでも無機質。 THX-1138が管理室に侵入し、LUH-3417を”見つけた”シーンではこの映画の中で一番の名シーンでしょう。

それなのに、それなのに、なぜジョージ・ルーカスはあんなバリバリの商業映画の道へ進んでしまったのでしょうか。 「THX-1138」は映画会社にも受け入れられず、興行的にも大失敗だったという背景が影響しているのかもしれませんが。

余談ですが、「THX-1138」はかなりの低予算であったことでも有名だとか。 お金をかければ良いものが作れるという考えが甚だ勘違いであるということがわかることでも、存在価値のある1作だと思います。

製作
1971年
アメリカ
監督
ジョージ・ルーカス
出演
ロバート・デュヴァル
マギー・マコーミー
ドナルド・プレザンス
イアン・ウルフ

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