突然選挙に立候補した上島竜兵をアメリカのテレビ局が密着取材するというフェイクドキュメンタリー。途中、あまりのバカバカしさに演技中ながら笑い出してしまう上島竜兵と竜兵会の面々。ついつい釣られて大笑いしてしまった。そこで撮影を切らない監督も素晴らしい!フェイクながら妙にドキュメンタリーのリアルさを感じるのも、そのような撮影環境だったからだろう。
予算の関係か少々チープであるのは否めないものの、ある意味強烈に風刺の効いた面があるのも興味深い。ただ、終盤は詰めが多少甘いのでは。
客観的視点から描かれる、日常の中の非日常。映像の端々に見られる繊細かつ丁寧な描写と、主人公を演じるハン・ヒョジュの持つ澄んだ空気感が気持ち良い。家の二階で一人、ゆっくりと靴下を履き替える描写、亡くなった”父親”の手に触れ、耳元で小さくつぶやく描写、多くを語らずに主人公の複雑な心境が表現される終盤、それらの描写自体から寂しさ・優しさなどの繊細な感情が感じ取れる。本作を監督したイ・ユンギは「第二のキム・ギドク」と呼ばれているらしく、今後も大いに期待。