美しい自然に囲まれたのどかで小さな街シュリッツ。そこにはいつもと何も変わらない時間がゆっくりと流れていた。ある日、ハンナは無口な転校生エルマーから呼び出され人気のない教室へ。ぎこちない会話の後で突然キスをされる。喜んだのも束の間、その時ABC警報(核兵器・生物兵器・化学兵器による攻撃に対する警報の総称)が鳴り始める。授業は中止され休校になるが、人々は逃げまどい校内は大混乱になってしまう。ハンナは弟ウリーのために家に戻り、エルマーは自分の車でハンナを家に迎えに行く約束をする…。
ニュージーランド南端の町、インバカーギル。小さな家に独りで暮らしている初老の男バート・マンローは、40年以上も前のバイク“1920年型インディアン・スカウト”を自ら改造し、ひたすら速く走ることに人生を捧げてきた。そんな彼の夢は、ライダーの聖地、アメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)で世界記録に挑戦すること。いよいよ肉体的な衰えを痛感し、もはや挑戦を先延ばしにはできないと悟るバート。そして、周囲の人々の協力もあってどうにか渡航費を捻出すると、貨物船にコックとして乗り込み、海路アメリカを目指すのだったが…。
バンドブーム吹き荒れる頃の東京。4人組のロックバンド“SPEED WAY”もブームに乗ってメジャーデビューを果たしたが、パっとしない活動が続き、メンバーの生活は何も変わらないままだった。今日も彼らは、狭苦しいスタジオで練習し、居酒屋でロック談義に花を咲かせる。ギタリスト・中島は、売れる曲を書けと迫るボーカルのジョニーと言い争うが、どうしてもいい曲が書けない。そんな時、中島のアパートに“ロックの神様・ディラン”が現れ、ハーモニカの調べで語りかけて来る…。
ウィスキーのCM撮影のため、東京にやって来た落ち目のハリウッド・スターのボブ。カメラマンである夫の仕事に「ヒマだから」と同行して来たシャーロット。ボブはスタッフとのコミュニケーションがうまくいかず、また家庭の問題もあり、次第に孤独感を感じるように。シャーロットも仕事の忙しい夫に構ってもらえず、初めての東京の街に戸惑うばかりだった。自分の居場所が見つけられず不安を感じていた二人は、偶然ホテルで出会う。同じような心の空洞を抱えた二人は、やがて互いの存在に心安らぐようになっていく…。
ある地方都市、中学2年生の雄一は、同じ剣道部である星野と親友になる。星野は優等生であり、周りからはあまり好まれる存在ではなかった。そんなある日、雄一と星野は周りの仲間ともに金を盗み、沖縄旅行に出かける。その中で、星野は「死」に直面し、豹変していくのだった。その後、雄一は星野のイジメの対象となり、命じられるまま、犯罪にも手を染めるようになる。そんな雄一の心の支えとなるのは、カリスマ的人気を誇るリリィ・シュシュ、そして密かに思いを寄せる同級生の久野だったのだが…。